建物や内装空間の完成イメージを手で描くパースは、CGパースと何が異なるのでしょうか?そこで本記事では、手書きパースとCGパースの違いを解説します。手書きする方法やポイントもまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
手書きパースとは?

手書きパースとは、建物や内装空間の完成イメージを、鉛筆やペン、絵の具などを使って手描きで表現する方法です。遠近感を意識しながら描くことで、図面だけでは伝わりにくい雰囲気や空間の広がりをわかりやすく表現できます。ここでは、手書きパースのメリット・デメリットとCGパースとの違いを確認しましょう。
メリット
手書きパースのメリットは、温かみのある表現でイメージを柔らかく伝えられる点です。線の揺らぎや色のにじみといった手描き特有の表現は、見る人に親しみやすい印象を与えます。
設計の初期段階やアイデア提案の場面などで、手書きパースを活用できます。例えば、住宅設計の初期提案では、手書きパースに細部を描き込みすぎないことで、施主が自由にイメージを膨らませやすくなります。打ち合わせ中に手書きで修正を加えれば、意思疎通がスムーズです。
手書きパースは、対話しながら進める設計に向いた表現方法です。
デメリット
表現や精度に限界がある点が、手書きパースのデメリットです。描く人の技量によって仕上がりのクオリティが左右され、修正にも手間がかかります。
手書きパースでは、完成後の正確な色味や素材感、照明の反射などを再現することが難しいです。また、大幅な修正が必要になると、最初から描き直さなければなりません。そのため、最終確認用の資料としては、不向きなケースもあります。
メリット・デメリットを理解したうえで、手書きとCGのパースを使い分けることが大切です。
CGパースとの違い
手書きパースとCGパースの違いは、必要な道具や表現の特徴、制作のスピード、用途などです。
| パースの制作方法 | 手書きパース | CGパース |
| 必要な道具 | 紙と鉛筆やタブレット端末など | パソコンと3Dソフトなど |
| 表現の特徴 | 温かみ・柔らかさを出せる | 写実性・精密性が高い |
| 制作のスピード | ラフは早いが、修正は遅い | ラフも修正対応も早い |
| 用途 | 初期提案や企画書など | 最終提案や広告素材など |
どちらか一方が優れているわけではないため、手書きとCGの違いを踏まえて、用途に合う制作方法を選びましょう。CGパースの特徴について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
パースを手書きする方法

パースを手書きする方法には、以下の三種類があります。
| 手書きの方法 | 特徴 | 用途 |
| 一点透視図法 | 奥行きを1つの消失点で表現する最も基本的な描き方 | 室内・廊下・外観のファサードなど |
| 二点透視図法 | 建築物を斜めの角度から見るときに用いられる方法 | エントランスフロア・外観の全体など |
| 三点透視図法 | 建築物を見上げたり見下ろしたりする構図に使われる方法 | 吹き抜け構造・高層ビルなど |
パースを手書きする方法を詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
https://shikaku-view.shikaku-izm.co.jp/blog/perspective-drawing
パースを手書きするときのポイント

パースを手書きするときは感覚だけに頼らず、構図・遠近図法・線の強弱・影の入れ方・着色方法などのポイントを押さえることが大切です。ここでは、それぞれのポイントを詳しく解説します。
構図
パースを手書きするときには、最初に決める構図が完成度を左右します。理由は、視点の位置や見せたい範囲が曖昧だと、「何を伝えたいパースなのか」がわかりにくくなるからです。
| 構図の種類 | 特徴 |
| 二分割・三分割 | 画面全体を二等分・三等分し、バランスを保つ |
| シンメトリー | 左右または上下が対象になるように要素を配置する |
| 黄金比 | 約1:1.618の比率を用いて要素を螺旋形に配置する |
| 対角線 | 視線を誘導し、空間の広がりや立体感をわかりやすく伝える |
| 三角 | 安定感と視線の誘導を同時に実現しやすい |
| 放射 | 複数のラインを一点へ集めて、視線を集中させる |
| トンネル | まるでトンネルの中を進んでいるような遠近感を表現できる |
最初にラフで構図を確認することで、見やすく伝わる手書きパースに仕上がります。建築パースの構図について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
https://shikaku-view.shikaku-izm.co.jp/blog/perspective-composition
遠近図法の種類(消失点の数)
遠近図法の種類には、一点透視図法・二点透視図法・三点透視図法があります。遠近図法の種類によって、消失点の数が異なります。
| 遠近図法の種類 | 消失点の数 | 特徴 |
| 一点透視図法 | 1点 | 奥行き方向の平行線が一か所に収束し、安定感がある |
| 二点透視図法 | 2点 | 奥行きのある2方向の平行線が左右の点へ収束し、立体感が増す |
| 三点透視図法 | 3点 | 奥行きのある3方向の平行線が左右2点と上下1点へ収束し、迫力が出る |
遠近図法の種類と消失点の数を理解することで、パースの安定感・立体感・迫力を表現しやすくなります。パースの消失点について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
https://shikaku-view.shikaku-izm.co.jp/blog/perspective-vanishing-point
線の強弱
線の強弱をつけることで、手書きパースの表現が豊かになります。太い線と細い線を使い分けることで、前後関係がわかりやすくなるからです。
例えば、手前にある輪郭線は少し太く、奥に行くほど細く描くと、自然な奥行きが生まれます。また、建物の外形線を強めに描くことで、存在感が増します。
線の強弱は、描き分けを意識するだけで効果を出せる技術です。情報が整理されたパースになります。
影の入れ方
パースに手描きで影を入れることで、立体感とリアリティが高まります。なぜなら、光の当たり方を示すことで、形状や奥行きが直感的に伝わるからです。
光源を一方向に決め、影の向きを統一するだけで、空間にまとまりが出ます。床や壁の接地部分に薄く影を入れると、建物や家具が浮いて見えるのを防止できるのです。
ただし、影が濃すぎると、建物や内装の存在感が低下してしまいます。控えめに影を入れることが、手書きパースのポイントです。
着色の方法(色鉛筆・マーカーペン・水彩絵の具など)
着色するときは、画材の特徴を理解して使い分けることが大切です。画材ごとに表現できる雰囲気が異なります。
| 着色の方法 | 特徴 |
| 色鉛筆 | 柔らかく落ち着いた印象になり、初心者でも扱いやすい |
| マーカーペン | 発色が良く、短時間で仕上げたいときに向いている |
| 水彩絵の具 | にじみを活かすことで、自然で温かみを出せる |
目的や仕上げ方に合わせて着色方法を選ぶことで、手書きパースの魅力を引き出せます。
手書きパースに関するよくある質問

パースを手書きするときには、道具・画材やCGとの違い、外注に関する疑問を抱くものです。ここでは、手書きパースに関するよくある質問を集めましたので、一般的な回答をご紹介します。
どんな道具や画材が必要ですか?
最低限の道具や画材があれば、パースを手書きできます。専門的な道具・画材を揃えなくても、基本的な表現は十分可能です。
| 手書きパースの工程 | 必要な道具・画材 |
| ラフ | 鉛筆やシャープペン、消しゴム、定規 |
| ペン入れ | ミリペンやボールペン |
| 着色 | 色鉛筆やマーカーペン、水彩絵の具 |
最初から高価な道具・画材を揃える必要はなく、「描きやすい」と感じるものを少しずつ試すのがおすすめです。自分に合った道具・画材を見つけることで、手書きパースを無理なく続けられます。
手書きとCGのどちらが良いですか?
手書きとCGのどちらが良いかは、パースの目的によって異なります。それぞれの表現や用途が異なるからです。
手書きパースは柔らかい印象で、初期段階の提案や打ち合わせなどに適しています。一方で、CGパースは、完成後の姿をリアルに再現できるため、最終段階の確認や販売促進用の資料などに向いています。
例えば、方向性を話し合う場では手書きパースを作成し、完成イメージを固める段階ではCGパースで仕上げると効果的です。用途に合わせて選ぶことで、納得感のあるパースを作成しやすくなります。
外注できますか?
はい、手書きパースを外注することは可能です。建築やデザインの業界には、手書きパースを制作できる専門家や制作会社が存在します。
| 外注のメリット | 外注のデメリット |
| 専門性の高いクオリティを短期間で得られる 自社で制作する時間を削減できる | 費用が発生する チェックと修正の時間が必要になる |
手書きパースを外注する際は、各会社の制作実績や料金体系などを比較することが重要です。信頼できる外注先を選ぶことで、イメージに近い手書きパースを依頼しやすくなります。
建築パースの外注について詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
https://shikaku-view.shikaku-izm.co.jp/blog/outsourcing-architectural-perspective
手書きパースの制作を業者に相談しよう!
手書きパースは、建物の雰囲気や内装空間のアイデアなどを柔らかく伝えられる表現方法です。用途に合う仕上がりを求める場合は、制作実績の豊富な業者に相談し、イメージを共有しながら制作を進めましょう。
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