CGパースの完成度は、3Dモデルの形状や素材だけでなく、ライティングによって大きく変わります。光の当たり方や影の出方を適切に調整することで、空間の立体感や素材感、時間帯の雰囲気まで自然に表現可能です。
そこで本記事では、CGパースのライティングの重要性や設定する手順を解説します。品質を高めるためのポイントやよくある質問もまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
CGパースのライティングとは?

CGパースのライティングとは、3DCGで作成した空間や建物に光を設定し、自然な明るさや影、雰囲気を表現する作業です。3Dモデルや素材が整っていても、光の設定が不十分だと魅力は伝わりにくくなります。ここでは、ライティングの重要性と主な種類について解説します。
重要性
CGパース制作において、ライティングは完成度を左右する重要な工程です。同じ3Dモデルでも、光の当て方によって立体感や素材感、空間の印象は大きく変わります。
外観パースに自然光を再現すると開放的な雰囲気になり、内観パースに暖色照明を当てると温かみを演出できます。反対に、光量の不足や不自然な方向の光では、暗く平面的な印象を与えてしまうのです。
したがって、住宅や店舗、オフィスなどの用途に合わせて魅力を伝えるために、ライティングは欠かせない表現手法です。
種類(自然光・人工光や直接照明・間接照明)
CGパースのライティングには、いくつかの種類があります。種類ごとの特徴を理解して使い分けることで、より自然で目的に合った表現がしやすくなります。
| ライティングの種類 | 特徴 | 用途 |
| 自然光 | 太陽光や外光を再現し、時間帯や天候によって明るさや色味を変化させられる | 住宅や店舗の内観や窓際の空間、昼間の外観など |
| 人工光 | 照明器具から発する光を再現し、明るさや色温度を調整できる | オフィスやホテル、商業施設の内観や夜景など |
| 直接照明 | 光源から対象物へ直接光を当て、形状や立体感を強調できる | 室内や商品展示、外構など |
| 間接照明 | 壁・天井・床などに光を反射させて空間を照らし、やわらかく、落ち着いた雰囲気を演出できる | 高級住宅やホテルラウンジ、店舗内装などの演出 |
| 環境光 | 間接照明とは別で、環境周りからの間接光が入ることによりより、リアルな雰囲気を再現できる | 外観、インテリアの背景、照明のバウンド光など |
複数のライティングの種類を組み合わせることで、現実に近いCGパースへ仕上げやすくなります。
CGパースのライティングを設定する手順

CGパース制作では、やみくもにライティングを設定するだけでは自然な仕上がりになりません。シーンの目的や時間帯を整理してから、メインライトとサブライトを順番に設定することで、見やすく魅力的な空間を表現できます。ここでは、基本的な設定の手順を解説します。
シーンの目的と時間帯を明確にする
CGパースのライティングを設定するときは、まずシーンの目的と時間帯を決めることが重要です。住宅や店舗、オフィスなどの用途によって、求められる雰囲気は異なります。
例えば、住宅の外観パースでは、朝の自然光で明るく清潔感を演出できます。ディナータイムがメインの飲食店なら、夜の暖色照明で落ち着いた印象を表現した内観パースが効果的です。
昼夜で光量や影の出方が変わるため、最初に完成イメージを定めることで細かな調整を進めやすくなります。
メインライト(主光源)を配置する
ライティングの設定では、メインライトから配置することが基本です。主光源を決めると、空間全体の明るさや影の方向が定まり、シーンの印象を整えやすくなります。
外観パースでは太陽光を斜めから当てると、建物の凹凸や奥行きが伝わりやすくなります。内観パースでは窓からの自然光や天井の照明を主光源にすると、家具や壁面の立体感を出しやすいです。
そのため、メインライトの光を決めてから、細部を調整しましょう。
サブライト(補助光・環境光)を調整する
メインライトを配置したら、サブライトで全体のバランスを整えます。主光源だけでは影が濃くなりすぎたり、一部が暗く沈んだりする場合があるためです。
| サブライトの種類 | 特徴 |
| 補助光 | 主光源でできた強い影や暗部を和らげて、明るさを部分的に調整できる |
| 環境光 | 空間全体を包み込むように広がり、空や周囲からの反射光を再現できる |
室内の壁際が暗いときは弱めの補助光を加え、HDRI(High Dynamic Range Image)などの環境光を使って空間全体に自然な明るさを与えます。ただし、光を増やしすぎると平坦な印象になりやすいため、必要な場所だけ少しずつ調整することが大切です。
CGパースのライティングを設定するときのポイント

CGパースのライティングを設定するときには、光源の位置や角度、色温度、露出・コントラストまで整えることで、建物や空間の完成イメージに近づけられます。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
光源の位置と角度で立体感を演出する
CGパースのライティングでは、光源の位置と角度を工夫すると立体感を演出しやすくなります。真正面から均一に照らすより、斜め方向から光を当てるほうが影が生まれ、壁の凹凸や家具の形状が伝わりやすいです。
外観パースでは、太陽光を斜め上に設定すると建物の輪郭が際立ちます。内観パースの自然な陰影を出すには、窓側から光を入れると効果的です。
したがって、メインライトを斜めに配置し、影を見ながら調整しましょう。
色温度を調整して空間の雰囲気を統一する
CGパースの印象を良くするには、色温度の調整が重要です。光の色味を揃えることで、CGパース全体に統一感が生まれます。
暖色系の光は温かみを感じさせるため、住宅やホテルなどの空間に向いています。寒色系の白い光は、オフィスやショールームなどの清潔感を演出しやすいです。
メインライトとサブライトの色温度を近づけると、自然で見やすい仕上がりになります。複数の照明を使う場合は、色味がばらつくと雑然と見えることがあるため注意しましょう。
露出・コントラストを最適化して見やすく仕上げる
CGパースの見やすさを高めるには、露出とコントラストの調整が欠かせません。
| ライティングの仕上げ | 目的 | ポイント |
| 露出 | 画像全体の明るさを決める | 明るすぎると白飛びし、暗すぎると細部が見えにくくなるため、全体の見やすさを意識する |
| コントラスト | 明るい部分と暗い部分の差を決める | 強すぎると影がきつくなり、弱すぎると平坦に見えるため、陰影のバランスを調整する |
例えば、内観パースでは、「窓周辺が明るすぎないか」「家具が暗く沈んでいないか」などを確認します。完成度を高めるためには、全体を見渡しながら整えることが重要です。
CGパースのライティングに関するよくある質問

CGパースのライティングを設定するときには、ソフトの選び方や昼夜の設定、不自然になる原因などに悩むことがあります。ここでは、よくある質問に回答しながら、解決策をご紹介します。
ライティングを設定しやすいソフトはどれですか?
ライティングの設定に適したソフトは、パースの目的や制作のスキルなどによって異なります。
初心者には、操作画面がわかりやすく、光の変化をリアルタイムで確認しやすいソフトが向いています。例えば、Blenderは無料で始めやすく、基本的なライティング機能も充実している3DCGソフトです。
また、建築分野では、モデリングソフトと連携しやすいレンダリングソフトが便利です。
| レンダリングソフトの種類 | 特徴 | 具体例 |
| バイアスレンダラー | 計算を簡略化して、レンダリング速度を優先する ノイズを抑え、短時間で画像を出力できる | V-Ray Corona Renderer Lumion など |
| アンバイアスレンダラー | 光の物理計算を重視し、現実に近いライティングを再現する 高品質だが、レンダリング時間が長くなる | Maxwell Render OctaneRender Indigo Renderer など |
使いやすさや学習コスト、現在使っているソフトとの相性を確認して選ぶと、継続しやすくなります。以下のページにおすすめのレンダリングソフトをまとめてありますので、併せてご覧ください。
昼と夜で設定はどう変えたら良いですか?
昼と夜では、メインライトの設定を変えることが大切です。
| 時間帯 | メインライト | 設定のポイント |
| 昼 | 主に自然光 | 太陽の位置や窓からの採光を意識し、影を自然に調整する明るさを確保しつつ、白飛びを防ぐ |
| 夜 | 主に人工光 | ダウンライトや間接照明を中心に配置し、暗部を残しながらメリハリをつける光源の数や強さを調整して、眩しさを防ぐ |
上記のように、時間帯によって光量と色味を調整しましょう。
不自然になる原因は何ですか?
CGパースのライティングが不自然になる原因は、光量・方向・色味のバランスが崩れていることです。
例えば、影の向きが複数の方向に分かれていたり、室内に強い光が不自然な位置から入っていたりすると違和感を与えます。また、照明の色味が混在しすぎると、統一感が失われやすいです。
メインライトを1つ決めてから補助光・環境光を追加し、実際の写真を参考にしながら調整すると自然な印象を出せます。
ライティングに困ったらパース制作会社に相談しよう
ライティングは、CGパースの印象を左右します。思うように立体感や雰囲気を表現できない場合は、用途に合う光の演出や高品質なビジュアル制作についてパース制作会社に相談する方法が有効です。
シカクビューでは、照明の企画・設計の経験を活かして、設計や用途に適したCGパースを制作しています。
また、手書きパースや作図、照明シミュレーションなどの幅広いニーズに対応しています。
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